Codex は OpenAI の、Claude Code は Anthropic のコーディングエージェントです。どちらもリポジトリを読み、ファイルを編集し、コマンドやテストを実行して、変更を差分として返します。2026年9月30日時点では両方ともローカル(ターミナルや IDE)とクラウドの両方で動き、主な有料プランはどちらも月額 $20(ChatGPT Plus と Claude Pro)なので、選ぶ決め手はモデルの優劣よりも、使用量の上限の数え方、最初に許されている操作の範囲、そしてすでに払っているアカウントとチームの作業場所です。
併用もできます。共通の AGENTS.md を一つ置き、片方に実装させ、自分で差分を読み、もう片方にレビューさせる形がいちばん扱いやすい組み合わせです。
2026年9月30日時点の比較表
料金は米ドル、各社の公式ページ(OpenAI の Codex 料金ページ、Anthropic の Claude Code 概要 と Claude の料金ページ)の記載に基づきます。
| 項目(2026年9月30日時点) | Codex | Claude Code |
|---|---|---|
| 提供元とモデル | OpenAI。GPT-6 Sol、GPT-6 Luna、GPT-6 Astra など OpenAI のモデル | Anthropic。Claude のモデル |
| 動く場所 | Web(クラウド環境)、CLI、IDE 拡張機能、iOS、デスクトップアプリ | ターミナルの CLI、VS Code・Cursor 拡張機能、JetBrains プラグイン、デスクトップアプリ(有料プランが必要)、Web(claude.ai/code)、iOS・Android アプリ |
| プロジェクトの指示ファイル | AGENTS.md | CLAUDE.md(AGENTS.md も単独または CLAUDE.md と併せて読める) |
| 最初の安全設定 | ローカルは workspace-write(作業フォルダ内で編集・実行)と承認ポリシー on-request | 権限モードで決まる。v2.1.283 以降、ターミナルと VS Code の対話セッションは auto で始まる |
| いちばん安い入口 | Free $0 と Go 月額 $8(デスクトップアプリで GPT-6 Luna、提供は段階的)、Plus 月額 $20 | Pro 月額 $20(年払いなら月 $17)。Free プランには含まれない |
| 上限の数え方 | 5時間ごとのローカルメッセージ数(モデル別の目安)、週の上限がかかる場合あり。Pro(月額 $100 から)は5時間ごとの上限なし | Pro の1セッションあたりの利用枠と週の上限。Max は Pro の5倍(月額 $100)と20倍(月額 $200) |
| API キーでの利用 | CLI・SDK・IDE 拡張機能で可。GitHub のコードレビューや Slack などのクラウド機能は使えない | Anthropic Console のアカウント、または Amazon Bedrock・Google Cloud・Microsoft Foundry 経由(CLI、VS Code、JetBrains) |
| GitHub・Slack | GitHub の issue や PR で @codex に依頼、自動 PR レビュー、Slack・Linear 連携 | GitHub Actions、GitLab CI/CD、GitHub Code Review、Slack で @Claude に頼んで PR 作成、Routines(クラウドでの定期実行) |
「Codex はクラウド、Claude Code はローカル」という以前の分け方は、2026年9月30日時点ではもう当てはまりません。Codex にはローカルの CLI と IDE 拡張機能があり、Claude Code には Web 版とクラウドで動く Routines があります。
月額 $20 で使える範囲と、使い切り方の違い
「Codex の Plus と Claude Pro のどちらがいいか」は、同じ $20 で何が付き、どういう形で上限に達するかを並べると判断しやすくなります。判断の材料になるのは各プランに含まれる機能と上限の仕組みで、モデルの出来の差ではありません。
ChatGPT Plus(月額 $20、2026年9月30日時点)には、Web、CLI、IDE 拡張機能、iOS の Codex、自動コードレビューや Slack などのクラウド連携、GPT-6 Sol と GPT-6 Luna が含まれます。上限は5時間ごとのローカルメッセージ数で数え、使うモデルによって目安が大きく変わります。
| Plus の5時間あたりのローカルメッセージ数(目安、2026年9月30日時点) | 回数 |
|---|---|
| GPT-6 Luna | 350〜3,000 |
| GPT-6 Sol | 15〜150 |
| GPT-6.1 Sol | 15〜160 |
| GPT-6 Astra | 5〜45 |
この範囲は OpenAI の見積もりで、固定の回数ではありません。クラウドタスクはローカルのメッセージより多く枠を使い、週の上限がかかることもあります。上限に達しても進行中のターンは最後まで終わり、その後は ChatGPT のクレジットを買って続けるか、API キーでローカルのチャットを追加で動かす(標準の API 料金がかかる)ことになります。残りは CLI の /status で確認できます。料金ページには「ChatGPT Work と Codex は利用枠を共有する」とも書かれているので、ChatGPT 側で重い作業をしている人はその分も見込んでおく必要があります。
Claude Pro(月額 $20、年払いなら $200 を前払いして月 $17、2026年9月30日時点)には Claude Code が含まれます。上限は1セッションあたりの利用枠と週の上限の二段で、足りない人向けの Max は Pro の利用枠の5倍(月額 $100)と20倍(月額 $200)という倍率で示されています。Pro と Max では、プランの上限を超えたあとも利用クレジットで作業を続けられ、使用状況は /usage で見られます。
実際の選び方はシンプルです。すでに ChatGPT Plus を払っているなら Codex は追加料金なしで試せ、すでに Claude Pro を払っているなら Claude Code も同じです。どちらも払っていないなら、軽いモデルで回数を稼ぎたいのか(Codex では GPT-6 Luna の目安が桁違いに多い)、倍率で上位プランへ伸ばしたいのか(Claude の Max)で考えます。
なお、GPT-5.5 は2026年10月14日に ChatGPT と Codex から外れます(API は対象外)。GPT-5.5 を前提にした手順や設定がある場合は、それまでに GPT-6 系へ切り替えておく必要があります。
無料で使えるか、API キーで使う場合
2026年9月30日時点で、Codex には無料の入口があります。Free($0)と Go(月額 $8)では、デスクトップアプリで GPT-6 Luna を標準速度で使い、短いコーディング作業を試せます。ただし提供は段階的で、すべてのアカウントですぐ使えるとは限りません。Claude Code は Claude の Free プランに含まれず、使うには Pro 以上が必要です。
API キーで使う場合は、どちらもトークン単位の従量課金になります。
- Codex は OpenAI の API キーで CLI、SDK、IDE 拡張機能から使えますが、GitHub のコードレビューや Slack といったクラウド機能は使えません。料金は API の料金表どおりです。
- Claude Code は Anthropic Console のアカウント、または Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry 経由で使えます。2026年9月30日時点の API 定価は、Sonnet 5.5 が入力100万トークンあたり $2・出力 $10、Opus 5.5 が入力 $4・出力 $20 です。
チームで使うときの費用の目安
Anthropic の Claude Code のコストに関するドキュメント によると、企業での導入の平均は開発者1人あたり稼働日1日約 $13、月 $150〜250 で、90%の利用者は1日 $30 未満に収まっています(2026年9月30日時点の記載)。これは API のトークン課金で使った場合の数字で、Pro の月額 $20 で使う個人の支払額ではありません。
5人のチームなら、月の目安は次のように計算できます。
- 5人 × $150 = $750
- 5人 × $250 = $1,250
つまり API 課金なら月 $750〜1,250 前後が一つの目安です。席単位で払う Team プランは、2026年9月30日時点で標準シートが月払い $25・年払い $20、プレミアムシートが月払い $125・年払い $100 で、すべての有料プランに Claude Code が含まれます。Team と Enterprise のシートの利用枠は5時間の移動ウィンドウと週単位でリセットされ、Claude のチャットや Cowork と共有です。
Codex のチーム利用では、Business の標準プランにも Plus と同じ5時間あたりの目安が示されていますが、これも固定の上限ではなく見積もりです。人数分の予算を組むときは、1週間ほど実際の作業で /status の減り方を見てから決めると外れにくくなります。
権限とサンドボックス:最初に何が許されているか
実務でいちばん差が出るのは、エージェントが確認なしにどこまで動けるかの決め方です。
Codex は、ファイルやコマンドが届く範囲を決めるサンドボックスと、いつ人に確認するかを決める承認ポリシーの組み合わせです。サンドボックスは read-only(読むだけ。編集やコマンドには承認が必要)、workspace-write(作業フォルダ内で読み書きし、決まったローカルコマンドを実行)、danger-full-access(サンドボックスなし。ファイルシステムとネットワークの境界がなくなる)の3つで、承認ポリシーは on-request と never です。ローカルの既定は workspace-write と on-request です。
Claude Code は権限モードで決まります。default(画面では Manual。確認なしで行うのは読み取りだけ)、acceptEdits(読み取り、ファイル編集、一般的なファイル操作コマンド)、plan(読んで調べるだけで、変更前に計画を出す)、auto(すべての操作を分類器がバックグラウンドで安全確認)、dontAsk(事前に許可したツールだけ。ロックダウンした CI 向け)、bypassPermissions(分離されたコンテナと VM 専用)の6つです。v2.1.283 以降、ターミナルと VS Code の対話セッションは auto で始まります。どのモードでも拒否ルール(deny)に書いた操作はブロックされます。
仕組みが違うので完全に一対一には対応しませんが、目的別に近い設定を並べると次のとおりです。
| やりたいこと | Codex | Claude Code |
|---|---|---|
| 読ませるだけ、レビューだけ | read-only | plan |
| 作業フォルダ内の編集は任せ、それ以外は確認する | workspace-write と on-request(既定) | acceptEdits |
| 人の確認なしで流す CI | read-only と never、または API キーでの実行 | dontAsk と事前許可リスト |
| すべての制限を外す | danger-full-access | bypassPermissions |
最後の行は、使い捨てのコンテナや VM のように、壊れても困らない隔離環境の中だけで使います。普段の開発マシンやシークレットの入ったリポジトリでは使いません。
どちらを選ぶか:作業の形と払っているアカウントで決める
実際の判断は、作業がどんな形をしているかと、どのアカウントをすでに持っているかでほぼ決まります。
- タスクを文章で書き切れて、テストがあり、最後に PR を読んで判断できる場合は、どちらにも任せられます。チームが ChatGPT と GitHub で動いていて
@codexに issue を渡したいなら Codex、Claude と Slack で動いていて Routines で定期作業を回したいなら Claude Code が自然です。 - 要件がまだ動いていて、出力を見ながらその場で方向を変えたい場合は、自分のリポジトリで権限の設定を信頼できる方を選びます。Codex の
workspace-writeとon-requestの組み合わせか、Claude Code のplanからacceptEditsへ切り替える進め方か、です。 - 人の確認が入らない CI では、Codex なら
read-onlyか API キーでの実行、Claude Code ならdontAskで使うツールを事前に列挙します。 danger-full-accessとbypassPermissionsは、隔離されたコンテナや VM の外では使いません。
どちらのアカウントも持っておらず、まず無料で触りたいだけなら、Codex の Free から始めることになります。Claude Code は Pro の $20 からです。
Codex と Claude Code は併用できるか
併用できます。うまくいくのは役割と止まる地点を決めたときで、同じあいまいなタスクを二つのエージェントに同時に書き換えさせると、差分がぶつかって読めなくなります。
Claude Code は CLAUDE.md をセッション開始時に読み、リポジトリに AGENTS.md があればそれを単独で、または CLAUDE.md と併せて読めます。Codex は AGENTS.md を指示ファイルとして使います。つまり共通ルールを AGENTS.md に一つ書けば、両方に同じ規約が届きます。
- 共通のコーディング規約、テストコマンド、触ってはいけないフォルダを AGENTS.md に書く。Claude Code だけの設定があれば CLAUDE.md に足す。
- 実装を担当するエージェントを一つ決め、専用のブランチか worktree で作業させる(Codex には worktree と Git ツールが組み込まれている)。
- 最初の差分が出たところで止める。
- 自分で差分とテスト結果を読み、意図、変更範囲、シークレットの混入を確認する。
- もう一方のエージェントにレビューだけを頼む。Codex なら
/review、Claude Code なら編集しないplanモードで差分を読ませる。 - マージするかどうかは自分で決める。
費用面では、両方を個人で使うと ChatGPT Plus と Claude Pro で月 $40(2026年9月30日時点)かかります。片方だけで足りない場面がはっきりしてから二つ目を足しても遅くありません。
よくある質問
Codex で Claude のモデルは使えますか?
2026年9月30日時点の公式ドキュメントでは、Codex で使えるモデルとして載っているのは OpenAI のモデルだけで、Claude Code は Claude のモデル(直接、または Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry 経由)だけです。相手側のモデルを動かせるとうたう第三者のツールは、両社の公式ドキュメントの範囲外です。
「Codex はクラウド、Claude Code はローカル」という説明は正しいですか?
2026年9月30日時点では正しくありません。Codex は CLI や IDE 拡張機能でローカルでも動き、Claude Code は Web 版(claude.ai/code)や Routines でクラウドでも動きます。違いは動く場所より、権限の決め方、上限の数え方、連携先にあります。
Claude Code は無料で使えますか?
使えません。2026年9月30日時点で Claude Code は Claude の Free プランに含まれず、Pro(月額 $20)以上のプランか、Anthropic Console などでの API 従量課金が必要です。無料で試せるのは Codex の Free で、デスクトップアプリで GPT-6 Luna を使えますが、提供は段階的です。
上限の残りはどこで確認できますか?
Codex は CLI の /status、Claude Code は /usage で確認できます。Codex の5時間あたりの回数は見積もりの幅なので、実際の減り方はこの表示で見るのが確実です。



